実写版「天才バカボン」一番目立ったのは“日テレ色”？

　赤塚不二夫の傑作「天才バカボン」を実写化し注目を集めた「天才バカボン～家族の絆」（日本テレビ系　3月11日　21：00～）。漫画家＆TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は、「リアルな邪悪さが最高」だったと評価する。

＊　　＊　　＊

　おでこのシワが似てる。その一点で選ばれたとしか思えないバカボンのパパ役、上田晋也（くりぃむしちゅー）なのだ。なんせデコしわのアップで始まった、デコしわ押しドラマ。付けヒゲをしてたけど、バカボンのパパの鼻の下、あれはヒゲだったのか。ずっと鼻毛だと思ってました。子供の頃に刷り込まれているせいか、ついつい細かいところが気になってしまう懐かし漫画の実写化。

　なぜか、バカボンの隣の家にマツコ・デラックスが住んでいたり、上田と「おしゃれイズム」つながりで、藤木直人がゲスト出演していたり、突然パパがサックスで「太陽にほえろ！」のテーマを演奏したりと、随所にちりばめられる日テレ色。むしろ、これは日テレ春のバカ（ボン）祭り？

　オカリナ（おかずクラブ）演じるバカボン少年。髪型がオカリナのままなのに、ちゃんとバカボンに見えるからすごい。でも、なぜほっぺにうず巻きがないのだ。おしいのだ。バカボンのママ（松下奈緒）はレレレというか、ゲゲゲだし、日本一銃弾使用量の多いおまわりさん（高嶋政伸）は、一発も発砲しない。いくら政伸が顔芸をがんばっても、ホンカンがバンバン乱射できないなんて、ほんとに世知辛い世の中なのだ。