「腰の据わった長期投資家のオイルマネーが抜け、ヘッジファンドなどの短期筋が増えた。だから値動きが荒い展開にならざるを得ない」

 悲しいかな、約130兆円の年金積立金を運用する巨大クジラ、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の下支えも限界が近づいている。衆院予算委員会があった15日、一気に1千円超上げて3営業日ぶりに1万6千円台を回復。「15日も何を言われるかわからないので意地でも上げたんでしょう。1980年代から分析すると、これだけ長期にわたって株価が高値を維持できたのは、GPIFや日銀が下支えした人工的な相場だったからですが、ここまで落ちた。弾切れが近い」(ぐっちーさん)

 第1部の幕が降りた後の株価はどうなるのか。『なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?』(ダイヤモンド社)の著者で元ドイツ証券の松村嘉浩氏は「リーマン後に、集中治療室で金融緩和をやり、今頃晴れて退院するはずが、病院から出られず、戻っても薬がない。立ち往生しているのが現状。株価下落は始まったばかり、実は今は一回表です」。

 各地で物騒なニュースも続いている。先駆けてマイナス金利をスタートさせたユーロ圏。金融機関が収益を圧迫され、不良債権の削減が進まない。「ドイツ銀行の問題が報道されているが、あれは欧州の金融機関全体の話。大きなリスクになる」(中原氏)という。

 さらに来月初めには、アベノミクス劇場に濃い面々がキャストとして加わるかもしれない。極端な発言で話題の米大統領選候補、トランプ氏だ。

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