現地邦人向けの地元紙「日刊まにら新聞」も「荷物は日本から在比大使館宛てに送られており、酒瓶以外に安倍首相とアキノ大統領の写真アルバムなどが入っていた」と報じていた。
まにら新聞の鈴木貫太郎記者は、記事の内容に自信を見せたうえで「マニラ・ブレティンはどちらかといえば政府寄り。書いた記者は私の友達です。親日家で、以前から天皇陛下の訪問を楽しみにしていました」と説明。記事掲載が訪比前日だったことについても、天皇陛下への悪意などなかったはずだという。
さらにこう付言した。
「フィリピンでは以前から、すぐに賄賂を要求するような空港職員の汚職が問題視されています。今回の報道で、それに対する国民の不満が爆発し、大きな話題となったのでしょう」
宮内庁や外務省について、前出の坂元教授はこんな見方を示した。
「陛下はフィリピンとの友好関係を促進するために行かれたわけですから、日本側としては、せっかくのご訪問に水を差したくないとの判断をしたのかもしれません。陛下のお気持ちを忖度(そんたく)したのでしょう」
※週刊朝日 2016年2月19日号