「ニューヨークへ行きたいかーっ」
覚えているだろうか、日本テレビ系の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」のあの絶叫を。決勝の地はNY。実は地で行くホテルがある。帽子を被ったマダムが微笑む看板のAPA(東京都港区)だ。11月に米ニュージャージー州で海外第1号がプレオープン。日本滞在で風呂など日本の快適さを知った訪日客を米でも取り込む一手だ。業界に詳しいライター中村恵二氏はこう解説する。
「最近多いのは日系企業の進出に合わせたアジア出店。アパはアジア競争は避け、経済の中心の米を選んだ。各国の出張者にも名を売り、世界に出たいのでは」
昨秋、スーパーホテルもミャンマーとベトナムに出るなど、アジア進出が目立つ。一方でアパの戦略は米のフランチャイズ(FC)展開だ。国内ではFCなど含め353ホテルを手がけ、最近では六本木や歌舞伎町など東京の超一等地に開業。都内だけで50に迫る。
「ぜひわが国でも」。実はバーレーンやインドから誘いもあった。モンゴルやドイツから問い合わせもある。だがなぜ米国か。元谷外志雄代表はこう明かす。