

最新情報と新着まとめて2枚ご紹介
Starry Night (Sapodisk)
帝王生誕85・没後20年を記念した企画が次々に具体化しているようですが、今回は出版関係の最新情報をいくつかご紹介します。いずれも現時点では刊行時期は未決で、これから数か月の間に店頭に並ぶであろうものというアバウトな感じで受けとめてください(決まり次第、別途お知らせしたいと思っています)。
マイルスのマニアには、主要なインタヴューを集大成した翻訳書『マイルス・オン・マイルス:マイルス・デイヴィス・インタヴュー選集』(宝島社)がお薦めです。菊地成孔・大谷能生両氏の分厚い『M/D』も2分割されて文庫として刊行されます(河出書房新社)。これについては不肖ナカヤマがお2人と鼎談をさせていただき、ボーナス・トラックとして収録されるようです。
さらに河出さんからは『文藝別冊 マイルス・デイヴィス』の増補改訂版が刊行されます。ちょうど10年前に出たマイルス特集号の最新ヴァージョンというわけですが、これにもいくつか新しい座談会や書き下ろし原稿が追加され、より強力な内容になっていると思われます。今回はとり急ぎ以上の3冊とします。まだまだありますが、追ってご紹介していきますので、しばしお待ちください。
さて今回も必殺の2枚まとめてご紹介とあいなります。とはいえ2種類で4枚ですから、かなりヘヴィーではあります。まず『スターリー・ナイト』はオレゴン州ポートランドにある「スターリー・ナイト・タヴァーン」でのライヴ。87年9月6日といいますから、秋の夜空に輝く星もさぞや美しかったことでしょう(って屋内だったと思いますが)。マイルスらしくないロマンティックなタイトルに思わずコケそうになりましたが、演奏は険しく厳しく、どう転んでもロマンティックなものではありません。オーディエンス録音ですが、非常にクリアに録音されています。
本日の2枚目は『スターリー・ナイト』の約1年半前のライヴ。86年3月23日、オハイオ州コロンバスが舞台、したがって『Human Nature In Ohio』(Sapodisk)というベタなタイトルがつけられています。こちらもオーディエンス録音ながら、上掲盤よりはバランス、音質ともに劣り、少々うるさく感じる人もいるでしょう(その「うるささ」が魅力でもあるのですが)。しかし内容はこのオハイオ・ライヴのほうが上かもしれません。ボブ・バーグががんばっています。ケニー・ギャレットって、飽きますよね? それではまた来週。
【収録曲一覧】
1 One Phone Call / Street Scenes-Speak
2 Star People
3 Perfect Way
4 The Senate / Me And You
5 Human Nature
6 Wrinkle
7 Tutu
8 Movie Star
9 Splatch
10 Time After Time
11 Full Nelson
12 Don't Stop Me Now
13 Carnival Time
14 Tomaas
15 Burn
16 Portia
(2 cd)
Miles Davis (tp) Kenny Garrett (as, fl) Robert Irving (synth) Adam Holzman (synth) Foley (lead-b) Darryl Jones (elb) Ricky Wellman (ds) Rudy Bird (per)
1987/9/6 (Poetland)