米海軍横須賀基地に配備された原子力空母に乗艦する安倍首相 (c)朝日新聞社
米海軍横須賀基地に配備された原子力空母に乗艦する安倍首相 (c)朝日新聞社
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 安保法制の施行を控え、9.11の再来のような仏同時多発テロが勃発(ぼっぱつ)。日本人にも危機が迫っている。米国率いる有志連合の一員として地球の裏側までお供すれば、自衛隊員の“戦死”は免れないという厳しい現実があるのだ。急ピッチで進む、日米軍事一体化の裏を探る。

 有志連合を率いる米軍と行動すると、国内に多くの米軍基地を抱える日本本土がいつの日か、テロの標的にされてもおかしくはない。

 現在、日本の米軍基地は130施設あり、うち米軍専用は81施設。約300平方キロメートルにも及ぶ。

 残りの49施設は米軍が現在、共同利用している自衛隊基地だ。逆に米軍専用施設の中に自衛隊の部隊や施設が併設されているところもあり、こうした日米の一体化は急ピッチで進められている。防衛省関係者の解説。

「自衛隊と米軍の一体化は00年代前半からはじまり、財政が苦しい米軍はコスト削減のため、基地を将来的に自衛隊へ返し、米軍が自衛隊の基地を間借りするという方向に転換。外務省、防衛省、財務省などの担当官僚と在日米軍司令部幹部が出席する日米合同委員会の席で、あうんの呼吸でこの流れは決まった。沖縄にある米軍基地、キャンプ・シュワブ、ハンセン、北部訓練場もいずれ、自衛隊に返されることは暗黙の了解となっている。辺野古も同様です」

 今年4月に改定した新ガイドラインでも「日米両政府は自衛隊及び米軍の相互運用性を拡大し(中略)施設・区域の共同使用を強化」がうたわれ、その布石は近年、着々と打たれてきた。

 戦闘機部隊などを指揮・統括している航空自衛隊の航空総隊司令部は12年3月、米軍横田基地(東京都福生市など)に移転し、在日米軍司令部と同居。

 両司令部間の連携を向上させることを理由に「共同統合運用調整所」なるものが設置された。これは弾道ミサイルへの迎撃など対処を指揮するために設けられた調整所で、室内には大型スクリーンを備えている。

「憲法上、自衛隊は米軍と一体化してはならないとなっている。ミサイル防衛は画面を見ながら作戦を立てる『コモンピクチャ』と呼ばれる作業があるが、9条のため、所内で日米の部屋は別々にしてあり、両部屋の真ん中にわざわざ共同部屋を作っています。在日米軍の各司令部にも計28人の自衛官が連絡調整要員として常駐しています」(防衛省関係者)

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