第3次安倍改造内閣の面々には知られざる共通点があった。デモの渦の中で強行採決した安保法制、株価下落などアベノミクスの崩壊、迫る消費増税。来夏の参院選に不安要素がいっぱいの安倍政権が頼みにするのは「宗教」だという。
自民党と連立を組む公明党の支持母体である創価学会もその一つだが、幹部が自嘲気味にこう語った。
「来年の参院選で安倍さんが頼りにしているのはうちではなく、神道政治連盟、日本会議、全日本仏教会(全日仏)、そして統一教会の4団体でしょう」
全日仏とは、浄土真宗、日蓮宗、天台宗、真言宗など伝統仏教を中心に105の団体が加盟する組織だ。前回の13年の参院選では、複数の主要団体が個別に自民党の候補者の支援団体として名を連ねていた。
「全日仏は強い集票力があるが、安倍首相の靖国参拝に抗議するなど「神道政治連盟」(以下、神政連)らとスタンスが異なる。支援を受けた自民党議員は股裂き状態です」(仏教関係者)
統一教会の名前が挙がるのはどういうわけなのか。宗教関係者がこう続ける。
「統一教会は選挙の際に人も票も出すので、自民党議員は重宝している。ほとんど報道されませんでしたが、実は統一教会は8月に名称を変更している。これまでなかなか話が進まなかったのに、文化庁が認証したのです。宗教関係者の間では、来夏に控える参院選のため、安倍政権の対策ではないかと話題になりました」
確かに8月26日付で、統一教会の宗教法人としての名称である「世界基督教統一神霊協会」を「世界平和統一家庭連合」に変更することが、所轄の文化庁宗務課によって認証されている。以下、本文でも同団体を「家庭連合」と記述する。
家庭連合の公式サイトによれば、97年に同団体創設者の文鮮明氏(故人)が、名称変更をすると発言。同年5月以降、<世界の(同団体の)教会では、「世界平和統一家庭連合」に名称変更を完了していました>という。
突然の名称変更が前述のような臆測を呼ぶのは、ある雑誌のインタビューがきっかけの一つだ。