「夕方5時過ぎ、Aは付き合っていた彼女にLINEで波田さんを殺して、自殺すると予告。心配になった彼女は友人らに連絡し捜しはじめた。駆けつけると、Aは放心状態だった。彼女はAの手を握り、必死で自殺を思いとどまらせた」

 波田さん、Aの家族にも連絡がいき、皆が虎尾山に駆けつけたのが同9時ごろ。

「Aは刺した場所を言わず、みんなでどこなんだと問い詰めて、ようやくわかったのが9時半くらいだった」(前出の親しい同級生)

 すぐさま119番通報して、パトカーや救急車が駆けつけたが、すでに波田さんは息を引き取っていた。

「Aは『波田さんから、死にたいから刺してと頼まれ、刺した。使った包丁は自宅から持ち出した』などと取り調べで話し、嘱託殺人のようです」(捜査関係者)

 別の同級生はこう言う。

「7月の家出後、波田さんは立ち直ったかに見えた。だが、その後も絶望感が続き、ずっと自殺願望があった。Aは『何度も頼まれ、死ぬのを手伝った』と事件後、話していたそうです。やさしい性格なので、苦しむ彼女の助けになると刺したようです」

「恋愛の聖地」での悲劇。同級生らは夜空に向かい少女の名を叫んだという。

(本誌・鳴澤 大、永野原梨香、牧野めぐみ、西岡千史、林 壮一、松岡かすみ、秦 正理/今西憲之)

週刊朝日 2015年10月16日号

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