![ツイッターやメールを大阪から頻繁に発信する橋本共同代表。「政治家たる者、口げんかは仕事の一つ」「日本維新の会はきっちり意見をまとめますよ」と言うが…… (c)朝日新聞社 @@写禁](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/2/7/377mw/img_27e1d5878b9003be19cb026d00e23aab34233.jpg)
バラバラ感のある国会議員を率いる橋下徹代表の統治は、懸念通り限界を見せる。参院選を乗り切れるのか。それともやっぱり「賞味期限切れ」か。
日本銀行正副総裁の同意人事案が東西で分かれ、考え方の違いが露呈した「日本維新の会」。党内から出た「(橋下氏は)口出ししないでほしい」発言に「口出すな、とまで言われて代表の地位にしがみつくような人生哲学を僕は持っていません!」と橋下氏が記者団を前に激怒するシーンもあった。ほかにも対立の火種は次々に現れる。
3月6日、「一票の格差」をめぐる訴訟で、昨年12月の衆院選を「違憲」と断じた東京高裁の判決が出ると、橋下氏は衆院比例区の定数(180)を30削減するとした自民党案に協力する意向を表明。党所属国会議員に、
「維新は比例復活している議員ばかり。(自民党案の)比例削減に反対したらすぐ保身だとバレますよ。比例削減に理屈を付けて反対するなんて恥ずかしいことはやめましょう」
という内容のメールを送った。
維新ではベテランの園田博之氏が座長を務める選挙制度調査会が、衆院の定数を3割削減する法案をいま開会中の国会に提出する方向で調整に入ったばかり。ところが橋下氏は、
「3割(削減)の方針は出すが、実現可能なところからやる。高い目標を掲げて、できないから現実的な路線もやらない、というのはダメ。保身はすぐばれる」
と、クギを刺したうえで、
「(国会議員団の判断を尊重することで折り合った)日銀総裁人事とは違う。国会議員の自分の身分に関わることなので絶対に甘くなる。僕がきちんと介入して議論を引っ張っていかなければいけない」
と、「宣戦布告」したのだった。
なんとか維新の団結を保つ紐帯となっているのが、現行の統治機構や法制度を根本から変えるという橋下氏の旗印「グレート・リセット」だ。
だが「どのようにリセットするか」という具体像を示す段になると、東西のきしみは大きくなるばかり。
ただ、日銀総裁人事では、参院で3議席しかない維新の動向が結果に影響する可能性は元々少なかった。橋下氏が内部対立を暴露することで、メディアの注目を集めることに成功したとも言え、同党1年生議員には「全部計算ずくです。メールやツイッターで発信することで、政策作りで主導権を握る。これこそ橋下流、党内マネジメントのグレート・リセットです」と評価する声もある。
※AERA 2013年3月18日号
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