「安保法案、今すぐ廃案!」
「自民党は憲法守れ!」
8月26日夕方の国会議事堂前。プラカードやノボリを掲げた人々がシュプレヒコールを上げながら、警察の誘導に従い整列して行進した。老若男女さまざまな顔ぶれが並ぶ。大学名が書かれたノボリを持った男性教員は、「このために神戸から来ました」と話す。
安保法案に反対する抗議行動が広がっている。
この日は、日本弁護士連合会(日弁連)の主催で、日比谷野外音楽堂で集会が開かれ、弁護士や学者らが安保法案の廃案を訴えた。雨が降る中、約4千人(日弁連発表)が集まった。
「日本の民主主義が崩れていくと感じ、無関心でいられず参加しました。家族でもよく話しています。息子夫婦にはもうすぐ子供が生まれますが、次の世代のためにも見過ごしていられません。私たちの世代がこれまで黙って見てきた責任もあるのかもしれません」
妻と一緒に参加した都内在住の佐藤広美氏(61)はそう話す。ほぼ毎週、デモに参加しているという。
安保法案を「違憲だ」とした憲法学者ら専門家からも多くの批判の声が上がる。東京大学の石川健治教授(憲法)は政府の憲法解釈を支える昨年の閣議決定は「クーデター」だという。