でも自民党からは、もう総攻撃でした。石原慎太郎さんや橋本龍太郎さんらから予算委員会でも徹底的に追及されました。当時の与党のみなさんもびっくりされたと思います。与党の人たちからは特になにも言われなかったんですが「よく言った、そのとおりだ」と真っ先に言ってくれたのは小泉(純一郎)さんだったというのも意外でしたね。
安倍さんが戦後70年談話を出されるということですが、私の考えは極めて簡単で、村山、小泉談話をそのまま継承すればいいということです。いささかでも私の発言や村山談話から外れてその精神を損なうものであれば、それは有害なものになるでしょう。「侵略」とか「植民地」とかいくつかのキーワードを継承していかないと、「未来志向」と言っても意味がない。
そもそも10年ごとに談話を出す必要もないと思っています。過去に対して向き合うのが10年ごとに変わるのでは困ります。そして日本と中国、韓国との関係においては、平和友好以外の選択肢はありえません。
(構成 本誌・長倉克枝)
※週刊朝日 2015年8月21日号