4月、青森県弘前市内に初出店したスターバックスの徹夜の行列の先頭に、この真っ赤な顔があった。
かぶりものをしているが、赤くペイントされた顔はむき出し。そのチープさは、一度目にすると目に焼き付く。彼は何者?
「りんご飴マンです」
縁日などでおなじみの、りんご飴の魅力を伝えるために、個人で活動するキャラクターである。ちなみに徹夜で並んだスタバでは、
「コーヒーは飲めないので、オレンジジュースを注文しました」
せめてそこは、アップルジュースではないのか。
主な活動は、様々なイベントでのりんご飴の販売。この飴はりんご飴マン自家製で、「いままで食べてきたものとは違う」と評判も上々だそうだが、さすがにりんご飴の販売だけしているわけではない。普段は真面目に働く29歳の若者だ。
「販売は趣味です」
2年前に学生時代の友人たちと始めた遊びがきっかけだった。当時は東京に住んでいたが、りんごの名産地の青森に月1回のペースで通ううち、風情と人情にゾッコンとなり、とうとう脱サラして弘前に移住してしまった。目立ちたがりの若者ではない、“本気の”りんご飴マンなのである。