マイルス・スマイルズ/V.A.
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マイルス・スマイルズというふざけたバンド&イヴェント情報その2
Miles Smiles / V.A. (Cool Jazz)

 マイルスの偉大な名前と影響力を商売に利用しているととるか、マイルスの偉大な音楽的遺産を後世に広く伝えるための一種の創造的文化活動ととるか。ぼくは限りなく前者に近く、あえて比率を問われれば、前者90パーセント、後者10パーセントと思うわけですが、マイルス・スマイルズって、知ってました?

 ふざけた名前のバンドですが、メンバーはすごい。これもまたこの種の企画物の定石ですね。データをご覧いただけばわかるように、マイルス役のウォレス・ルーニー以外はマイルスとさまざまな時代で共演(レコーディングのみの場合もあり)したミュージシャンが揃っています。意外なところでは、ローリング・ストーンズの準メンバーになったダリル・ジョーンズが参加していることでしょうか。

 今回ご紹介するのはデンマークのライヴ。さすがにメンバーがすごいせいでしょう、盛大な拍手と歓声に迎えられて登場、ふざけたバンド名のわりには真摯な姿勢がうかがえます。とはいえ思わず笑ってしまうのですが。音質良好そして豪華メンバーということで、マイルスとの関係性を云々しなくても楽しめるかもしれません。ただしその場合、自分がどうしてこのバンドの演奏を聴いているのか、動機が消滅してしまいますが。

 マイルス関連のバンドとしては、マイルス・エレクトリック・バンドもまもなくデビューするようです。メンバーやコンセプトは、こちらのほうが期待できそうです。メンバーは以下のとおり。

Nicholas Payton (trumpet) Antoine Roney (saxophones) Darryl Jones (bass) Munyungo Jackson (percussion) Badal Roy (tabla) Blackbyrd McKnight (guitar) Mino Cinelu (percussion) John Beasley (piano) Robert Irving (keyboards) Vince Wilburn (drums) DJ Logic (turntables)

 ダリル・ジョーンズなど重複したメンバーもいますが、ロバート・アーヴィング、ブラックバード・マックナイト、DJロジック等、メンツ的にはこちらのほうがクオリティとファンク指数は確実に高そうです。ライヴ音源の登場を期待しましょう。

 さて先週に引きつづき、今週もイヴェントのお知らせです。お時間のある方は、ぜひお越しください。

中山康樹「ローリング・ストーンズを聴け!」発売記念 トーク&サイン会
開催日時:8月11日(土) 16:00
場所:タワーレコード渋谷店7F
出演:中山康樹&大友博
無料&観覧自由。

それではまた来週。

【収録曲一覧】
1 Splatch
2 Star People
3 Mayisha
4 Don't Stop Me Now
5 Bye Bye Blackbird
6 Maze
7 Jean Pierre
8 Round Midnight
(2 cd)

Rick Margitza (sax) Wallace Roney (tp) Robben Ford (g) Joey DeFrancesco (tp, org) Darryl Jones (b) Omar Hakim (ds)

2012/7/9 (Denmark)

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