連休明けの5月7日に開かれた衆院憲法審査会の冒頭で、党憲法改正推進本部長の船田元衆院議員は公職選挙法改正案を今国会に提出したことを報告し、「速やかな成立に取り組む」と決意を示した。そこには、18歳選挙権と連動し、憲法改正に向かう政府の思惑があるという。ジャーナリストの桐島瞬氏が、その舞台裏に迫った。
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18歳選挙権を柱とする公選法改正案は、3月に自民、公明、民主、維新、次世代、生活の党の超党派が国会に再提出。選挙権が拡大すれば、選挙権年齢を25歳から20歳へ引き下げ、同時に女性に選挙権と被選挙権を認めた1945年以来、実に70年ぶりの改正となる。
「普通選挙をやっている世界191カ国のうち、176カ国が18歳かそれ以下に選挙権を与えている。18歳化はナショナルスタンダードです」(船田本部長)
オーストリアのように、16歳に与えている国さえある。それを考えれば、18歳化で日本も世界水準となる。
だが、その一方で、このタイミングでの18歳選挙権に懐疑的な声もある。
2月、船田本部長と会談した安倍晋三首相(60)が憲法改正の国会発議とその賛否を問う国民投票の実施時期について、「来年夏の参院選以降」という認識を示した。
つまり、いま選挙年齢を引き下げるのは、改憲を目論む自民が若者の「青田買い」を狙っているのではないかという見方だ。一橋大学で若者のイノベーションを研究する米倉誠一郎教授が指摘する。