上海に住む林さんに電話で取材をした。
「日本の本当にいいものをみんなに紹介したいんです。おもてなしや景色、日常生活、それと食も。飛騨牛は焼き肉、カレー、ステーキ、しゃぶしゃぶなどほとんど食べました」(林さん)
谷口所長に林さんを紹介したのが、日本政府観光局上海事務所だ。
「日本を紹介してくれるブロガーや記者を発掘して支援したいと考えていました。彼女は本当に日本が好き。当時は今ほど著名ではなかったのですが、もっと人気が出ると思いました」(同事務所の小沼英悟所長)
林さんは「ドラゴンボール」などの漫画が好きで日本に憧れ、東京学芸大学に留学。日本での生活を得意のイラストで描いて紹介するブログを在学中に始めた。ゲーム会社への就職を経て中国に帰国。関西地方での旅行の体験をイラストとエッセーでつづった本を13年に中国で出版した。
日本の日常やこだわりの観光地を紹介するイラストやコラムが話題となり一躍人気者に。講演やトークショーにも引っ張りだこだ。
「日本が好き。日本に恩返しをしたいんです」
林さんが繰り返し口にした言葉だ。「第二の林竹さん」を発掘するヒントがそこにある。
※週刊朝日 2015年5月8-15日号