「欧米の投資家がどう動こうが、米国の金融政策がどう動こうが、金価格が安くなればインドと中国は買ってきます」(同)

 中国とインドは経済成長に伴って金購入の裾野はどんどん広がっている。中国は外貨準備として金の保有を増やしている。インドは若年層が厚く、ブライダル需要は今後も見込める。

 さらに、金の生産量は今年にもピークを迎え、来年から減ると言われる。

 新しい金が出てこないとなると金価格が上がり始める。これまで掘られた金は18万トンを超えると言われている。金は腐食しないため、金価格が上がると、ネックレスのような宝飾品などのリサイクル品が市場に出てくることになる。

 だが、生産量が増えないことや、新興国の経済成長に伴う買いが継続することを考えると、金価格がこれまで以上に大きく下がるとは考えにくいという。豊島氏の金価格の見通しは明るい。

「そもそも金の生産コストは1トロイオンス/1208ドルです。それを割り込むような水準は長続きしにくい。20年の東京オリンピックのとき、為替が1ドル=120円で考えて、ドル建て金価格は1トロイオンス=1800ドル、1グラム=7千円と見ています」

 となれば、いまの水準はかなりお買い得と言える。

 それでは何を購入すればいいか。金融・貴金属アナリストの亀井幸一郎氏が言う。

「王道は金地金。地金は500グラム、1キロなどがいいでしょうね。少し割高になりますが、200グラム、100グラムなど小さいものでもいいでしょう。ただ、売却する際は一気に全部売らないといけないデメリットがある。金を買ったことがない人には金貨をお薦めします」

週刊朝日 2015年5月1日号より抜粋

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