金貨と金地金 (c)朝日新聞社 @@写禁
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 日経平均株価は4月10日、ITバブル以来15年ぶりに一時2万円を付けた。日本銀行による異次元の量的緩和で日本経済はバブルが起きているのではないかとの議論さえ起きている。そんななか、注目を集めているのがドル建てで1トロイオンス=1200ドル台の「金」だ。

 いま、欧米の投資家は利上げを見通して金を売っている。だが、新興国、特に中国とインドは、買う時期を虎視眈々と狙っている。

「新興国がそろそろ買いを強めてくるでしょう。1100ドル台になると買いが加速します。1150ドルぐらいが底値になると見ています。今年は1150ドルから1250ドルあたりを行ったり来たりという状況でしょうか」(世界的な金の調査・研究機関、ワールド・ゴールド・カウンシル元日本代表の豊島逸夫氏)

 インドでは、婚礼の儀式での金需要も多い。中国では富の象徴として金を持つことを好む。ちなみに、世界の消費の50%以上を中国とインドが占めている。

 この2カ国は、文化として金を好む。子どもが生まれれば金を買うし、インドでは花嫁に金を30万円分ほど持たせる習慣があるという。

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