「リーガルハイ」「相棒」「デート」など、数々の人気作品の脚本を手掛ける古沢良太さん。しかし、仕事では孤独だと作家・林真理子さんとの対談で明かした。
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林:作家って孤独で、一人で仕事してるじゃないですか。でも、脚本家は芸能人ともお付き合いがあって、打ち上げに行ったり、すごく華やかで楽しそうと勝手にイメージしてるんです。「先生」って言われて。
古沢:「先生」なんて、言われたことないですよ。現場のスタッフと俳優さんは一丸となって撮影してますが、僕は関係なく一人で仕事してるんで、打ち上げとかけっこう孤立しますね。
林:でも、堺(雅人)さんの携帯は知ってるでしょう?
古沢:堺さんはメール送ってきますね。たまにですけど。
林:脚本家って女優さんとウワサになる人もいるじゃないですか。古沢さんにもそういうこと起こらないですか。
古沢:起こらないなあ。なんで起こらないんだろう。どうしたら女優さんと……。この間、新垣(結衣)さんに肩をポンポンとたたかれて、すごくうれしかったです。たたかれたところ、どうしようかと思った(笑)。
林:女優さんが「メール教えて」とか……。
古沢:ないですね。
林:「演技の相談に乗ってください」とか。
古沢:ないです。僕、女優さんに限らずあんまり……。人を緊張させるタイプのようで、気安くしゃべりかけにくい人なんでしょうね。
林:ちょっとオタクっぽいところあります?
古沢:うーん。胸張って「オタク」って言えるほど何かに精通しているわけではなくて、自己顕示欲と人見知りのはざまで生きてるんです。自分の才能をほめてもらいたいという気持ちと、人に注目されたくないという気持ちがあるんですね。
※週刊朝日 2015年3月27日号より抜粋