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 働き手が不足している介護の現場。団塊世代が75歳以上を迎える25年までに、介護職員が30万人不足すると言われている。いずれ介護職は外国人に頼らなくてはいけない時代がやってくるのかもしれない。日本の介護現場ですでに働く外国人たちを取材した。

 インドネシア人の介護福祉士、ジョコさん(30)が東京都足立区にある特別養護老人ホーム「ウエルガーデン伊興園」に就職したのは1年半前だ。その前は、都内の別の施設でEPA(経済連携協定)に基づく介護福祉士候補者として働いていた。

 このEPAによる介護福祉士候補者の受け入れは、「二国間」の経済活動の連携強化の観点から、外国人の就労を特例的に認めるものだ。日本ではインドネシア、フィリピン、ベトナムの3カ国と協定を結び、インドネシアは2008年から、フィリピンは09年から、ベトナムは昨年から候補者を受け入れている。国家試験を受験して、受かれば日本で就労できる。在留期間は資格取得までは4年間、取得後は3年間で更新は可能だ。

 ただ資格が取得できなければ基本的に帰国しないといけない。試験は簡単ではない。外国人向けには漢字にルビが振ってあるものの、内容は日本人と同じ。合格率は、日本人を含めた全体の約半分だ。 

 ジョコさんは2回目の受験で国家試験に受かったという。

「じつは漢字のルビは、ギャクに読みづらかった(笑)」

 昨年12月にフィリピン人女性の介護福祉士候補者を4人受け入れた特別養護老人ホーム「浅草ほうらい」(東京都台東区)では、週に3回(6時間)日本語のレッスンをしているが、テキストにない言葉が現場でいきなり出てきて、彼女たちは面食らうらしい。

 候補者のマギーさん(26)は、「ゴフジョウ(ご不浄)さんに行くって利用者様に言われて、なに?と思ったら、トイレでした」と驚く。

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