「かわいいっすねぇ」。撮影中、何度この言葉を聞いたか。美人を見慣れているはずの表紙スタッフ、とくに男性陣がメロメロなのだ。
蒼井優にインタビューを始めて、その理由がわかった。時々こちらに向けられる、はにかむような、“ふにゃん”とした笑顔。その度に、気持ちがほっこりしてしまうのだ。
2月から始まる舞台「三人姉妹」では末娘イリーナを演じる。22歳で蜷川幸雄演出の舞台「オセロー」に出演したとき、「自分のなかで何かが開いた」と語る。
「最近は“早く舞台に出ていきたい”って思います。その日のお客さんと作るものだって感じるから」
そう、舞台は生モノ。稽古を重ねてもハプニングは起きる。切り抜け方もうまくなりましたか?
「セリフがわからなくなる瞬間って、ふいに訪れるんです。私が急に嘆いたり、不敵な笑い声をあげ始めたら、だいたいそうです(笑)」
まっすぐお芝居するのが一番大事なんですけどね、とまた“ふにゃん”と笑顔。ひと足早い春の訪れを感じました。
※週刊朝日 2015年2月13日号