堀江貴文氏は、ハードウェアやコンテンツが続々と増えこれからはVRの時代が来るとこう語る。
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■先駆者たちが語るVRブームと先にある未来。サマーレッスンは部活から生まれた!?
サマーレッスンというゲームをご存じだろうか?
少し前に物議を醸したバンダイナムコゲームスがテスト的にリリースした、ソニー・コンピュータエンタテインメントのヘッドマウントディスプレイ「プロジェクトモーフィアス」用のゲームだ。
仮想空間で女子高生に家庭教師をするというゲームだが、その作者らのトークイベントの様子をレポートした文章を読んだ。「鉄拳」シリーズのチームが社内でVR(仮想空間)を手がけようとして説得したものの、「部活」で勝手にやれと言われて実際に「部活」で作ったのだという。部活だからといってなめてはいけない。VR用のクオリティの高いゲームだ。
女子高生が相手ということで倫理的にどうなのかと、ネット上では炎上状態となったが、実は私は実際にプレイしたことがある。
さすがコンシューマゲームのトップランナーが、VRでグリグリ動くゲームを作るとここまでのクオリティなのか、とあっと驚かされるレベルであった。表情とかも複雑に演算処理された結果を使っているので実際に女子高生とコミュニケーションをとっているような感じになる。
「プロジェクトモーフィアス」でなくとも、私が編集長を務めたムック「xReality」(朝日新聞出版)付属の簡易型VRビューワ「ハコスコX」でもそれなりの体験はできるのではないかと開発チームに聞いてみた。
「プロジェクトモーフィアス」の販売価格はまだ決まっていない。だが、PlayStation4本体も必要となるため数万円以上の投資になると思われ、簡易体験をするのであれば、何とかそれなりのものは作れるのではないかと言っていたのが印象深かった。
もしかしたら「ハコスコX」用の「サマーレッスン」簡易版ができるかもしれない。また、サムスンのスマホをVR化するGearVRや、手軽にVRを楽しめる組み立て式VRゴーグル「スマホVRボックス」のような機器、そして将来的にはハコスコもデラックス版が用意されている。
そんな形で段ボールだけの簡易版から、もう少しリッチなプラスチック製のもの、そしてオキュラスリフトや「プロジェクトモーフィアス」のような本格派までこれからVR体験のハードウェアは出揃ってきて競争が始まるだろう。またコンテンツもどんどん増えている。
例えば「xReality」の付録ハコスコXをスポンサードしてくれたDMM.comの「VR[β]」。こちらは少しだけエッチなコンテンツになるだろう。リアルなAV女優を3Dスキャンしたものまでリリースされつつある。
もちろんエロ以外にもVR系のコンテンツは今後どんどん増えていくだろう。まずは「xReality」で見ることができるアイドルとの疑似デートやジェットコースターなどのVRコンテンツを体験して、これからのVR時代に備えてほしい。
※ 週刊朝日 2014年12月12日号