少女A(当時15)が7月26日、長崎県佐世保市で同級生を殺害し、遺体をバラバラにしたという衝撃的な事件から約3カ月。先月、自殺した父親は2月頃から婚活サイトで知り合った20歳年下の女性と交際をはじめており、5月にスピード結婚。Aを巡る特殊な家庭環境とその精神状態は注目の的となった。
本誌はAの継母となった女性が事件直前まで記録していたメモの趣旨を入手。そこには「犯行動機」とも思えるAの生々しい肉声が記録されていた。
「金属バットで父親を殺すつもりで殴った」
「殺すのは誰でもいい。(のちに担任の先生に『(殺すのは)先生でもいい』と告白していた)」
「猫より人間の方が(殺すことを想像すると)興奮する。楽しい」
事件の3日前の7月23日、少女Aからこうした異様な告白をされた継母は、仰天したという。
父親と継母が少女Aを診療していた精神科医から「Aは猫を虐殺している」という事実をはじめて聞いたのは7月7日。継母からその時の様子を聞いた知人はこう話す。
「Aがいる前で精神科医は『猫を虐殺している。児童相談所や警察に相談することも検討してくれ』と言ったそうです。2人とも衝撃を受けて激しく動揺しました。継母は父親の手をずっと握って話を聞いていたそうです」
父親らは児相、警察に相談することを検討したが、事件直前までAの様子は安定していたという。
「7月27日はAの誕生日なので父親と継母の3人で焼き肉屋でお祝いをし、プレゼントにスマホを買う約束をしていた。父親は安心していました」(継母の知人)
だが、継母は少女Aとの会話で危険なシグナルを察知していたという。
「少女Aは23日、継母に『父さんや他の人に言わないでほしいんですけど、猫のことなんですけど、正直、楽しみを奪われるのは嫌ですね』と病院に通う2人きりの車中で告白したのです。さらに会話が続き、『誰でもいいから殺してみたい』というAの異様な願望を察し、このままでは大変だと、慌てて記録したのです」(同)
(本誌・牧野めぐみ、上田耕司/今西憲之)
※ 週刊朝日 2014年11月21日号より抜粋