9月19日に同社が米国ニューヨーク証券取引所に新規上場し、史上最高額の2.7兆円を調達。中国経済界一の富豪になったアリババグループ会長のジャック・マー氏。しかし、そんなお金持ちにも辛口で「センスはお金じゃ買えない」と言い切るのがドン小西氏だ。
* * *
マオカラーのスーツっていうのはVゾーンのスタイリングが要らないだろ。センスに自信のない人にはもってこいのアイテムなんだよ。しかもこれ一枚で、たちまち神秘的な人に見えてしまう。日本では、うさんくさい文化人のユニホームみたいになってるけど、驚いたね。まさかマオカラーのふるさと中国にも、こんなビッグなマオラー(マオカラー愛好者)がいたとは。
しかもこの人の場合、うさんくささを通り越して、もはや不気味。ここ数年ファッション界では、「ナチュラル」「リラックス」がキーワードで、花柄とか自然のぬくもり系がもてはやされてるっていうのにさ。人ならではのぬくもりやキャラが、まったく感じられないもんな。無表情といい、ポマードで固めた七三分けといい、このまんまカンフー映画のその他大勢で出ていても、誰も気がつかないって。
ま、兆のケタの資産を持つ桁外れの大金持ちだっていうのに、ファッションを見る限り、ちっともかっこよくない。やっぱりセンスはお金じゃ買えないもの。それを教えてくれるこの人に、庶民はミョーに安心したりして。
※ 週刊朝日 2014年10月10日号