「正直、教員免許を取っても佳子さまが公立学校の先生になることは難しい。現実的に考えて、将来のご自身が力を発揮できそうな分野を学びたいと思われたのでしょう。その意思をご両親の秋篠宮ご夫妻が尊重されたのでしょう」
長男の悠仁(ひさひと)さま(8)を、皇族としては戦後初めて学習院初等科以外の小学校であるお茶の水女子大学附属小へ入学させるなど、形式にとらわれない子育てをしてきた秋篠宮家らしい判断でもあるという。
皇室ジャーナリストの松崎敏弥さん(75)は、
「時代の流れとともに働く女性が増え、早くに結婚し、家庭に入る人は少数となりました。それは皇室も同じだということです。ご両親ともども、きちんとしたキャリア形成が必要だとお考えになったのでしょう」
確かに、最近の若い女性皇族の活躍は目覚ましい。以前は、高校もしくは短大や大学卒業後、ほどなくして結婚するパターンが常だった。だが、天皇陛下の長女、黒田清子(さやこ)さん(45)が、大学卒業後に山階鳥類研究所の非常勤研究助手になり、働いて給与を得た史上初の内親王となったのを皮切りに、一気に「社会進出」が進んだ。
三笠宮家の彬子(あきこ)さま(32)は、オックスフォード大学博士課程(日本美術史)を修了し、公募採用で立命館大学衣笠総合研究機構ポストドクトラルフェローに就任。毎日新聞で連載も執筆されている。“お騒がせプリンセス”と呼ばれた高円宮家の長女、承子(つぐこ)さま(28)も、学習院女子大を退学、留学を経て早稲田大を卒業。現在は日本ユニセフ協会に勤務し、海外出張もこなすキャリアウーマンだ。
大学卒業後、ご公務以外に目立った活動がなく、出雲大社権宮司の千家国麿(せんげくにまろ)さん(41)と10月に結婚式を挙げる高円宮家の次女、典子さま(26)のようなケースが、異例にみえる時代なのだ。
女性のキャリア形成を研究する昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員の治部(じぶ)れんげさん(40)は、
「女子学生向けのキャリア教育は、ほぼ全ての大学が実施しています。結婚しても、出産しても、働くことが当たり前という意識が浸透しつつあり、それは皇族の方も同じなのでしょう」
※週刊朝日 2014年10月3日号より抜粋