映画やドラマで大活躍の剛力彩芽さん。作家の林真理子さんとの対談で、自分に向けられるほめ言葉についてこういう。
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林:剛力さんはあっという間に人気者になった感じがしますけど、実は芸歴は長いんですよね。
剛力:そうなんです。事務所には10歳のころから入っていて、もう12年になります。
林:お目にかかるのはたしか2回目ですが、ほんとにかわいらしいです。
剛力:でも事務所の人には、「剛力はちょっとヘンだから」って言われるんです。
林:え、どうして?
剛力:「いわゆる美少女ではない。でも、それがまたいいんだ」って。私はそれをほめ言葉として受け止めています。
林:どう見てもすごくかわいいけど、現代的なお顔立ちですよね。剛力さんといえばショートカットですが、それがまたすごくお似合いで。
剛力:まさか自分がショートになるとは思ってなかったんです。
林:ずっとロングヘアだったんですか?
剛力:はい。ただ何となく伸ばしてただけなんですけど。3年前の月9ドラマ(「大切なことはすべて君が教えてくれた」)のオーディションをきっかけに、ショートヘアにしたんです。あの役は私にとってはターニングポイントで、髪を切ったこともそうですが、お芝居の上でもすごく勉強になりました。
林:いまやっているドラマ(「あすなろ三三七拍子」)も、メチャクチャおもしろいですよね。
剛力:ありがとうございます。
林:剛力さんはフェミニストの女子大生役で、前近代的な応援団のしきたりに反発していたのに、回を追うごとに応援団のオジサンたちにやさしくなっていくんですよね。
剛力:そうなんです。
林:あのドラマのいいところは、若い女の子に対して、オジサンたちが「カワイイねえちゃん」なんて言わないことですね。「生意気だ」とは言うけど、セクハラっぽい部分はなくて、ある意味で対等な関係を築いているのが、ほんとにすばらしいですよ。
剛力:私が演じる松下沙耶は古い体質の男性社会が嫌いなんですが、私自身はそういうのがすごく好きなんです。台本を読んでると共感できる部分がたくさんあって、毎回泣いてしまいます。
林:ひたむきさとか、大人の一生懸命さが伝わってくるドラマですよね。
剛力:だから私と同世代の人にもぜひ見てほしくて。私の世代って、夢を持ったり熱くなったりすることが、少ないような気がするんです。私、高校は芸能科だったんですが、ガムシャラに夢を追いかける子よりも、「とりあえず大学に行く」という子が多かったんですね。でも、一生懸命がんばるのも悪くないんだよってことを、ちゃんと伝えたくて。
林:それにしても剛力さん、学ランが似合いますよね。
剛力:アハハハ、ありがとうございます。
※週刊朝日 2014年9月12日号より抜粋