ライブドアの元社長・堀江貴文氏は、これからの出版業界は収益のモデルを今日の音楽業界に学ぶべきだという。

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 5月30日にオタキングこと岡田斗司夫さんとの共著『ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!』(徳間書店)が発売された。

 その記念のトークライブを、お台場の東京カルチャーカルチャーというトークライブハウスで行った。この場所はいろいろな種類のトークライブを連日開催していて、毎回盛況なのである。

 私は何度もトークライブをしているが、カルチャーカルチャーで主催にまわったのは、これがはじめて。

 ちなみに、著書は過去に行われたトークイベントをもとに構成し、加筆したものだ。2人のトークの化学反応を楽しんでほしいし、これからのグローバル化の流れのなかで、いかに楽しく生きるかの処方箋が詰まっている著書となっている。

 さて本題に戻ろう。実は東京都内のみならず全国にこのような業態は広まっている。その先駆けとなったのは新宿にあるトークライブハウスであるロフトプラスワンだろう。

 1995年に富久町にオープンして、今の歌舞伎町に98年に移ってきたらしい。サブカルチャー系のあらゆるジャンルのトークライブが居酒屋形式で行われていて、こちらも連日盛況だ。私も実は月一でトークライブを行っている。ほかにも最近は書店などでのトークも行われるようになってきた。

 下北沢の書店「B&B」はBook&Beerをコンセプトに、主に作家などを招いてトークライブを行っている。書店内でなくとも作家を招いたトークライブ的なイベントは隣接するカフェなどで行われることも多い。

 つまり、これまでは紙の本や雑誌をただ書店に並べていれば売れていたが、これからはライブ的なつながりがより重要視されるようになっている。リアルなイベントに足を運ぶ人が増えているのだ。

 この変化は実はデジタル化で先行している音楽業界に学ぶことができる。つまりCDから音楽配信に変化して、CDショップでアルバムが売れなくなってから、音楽アーティストはライブで稼ぐモデルに転換していっている。

 会場でグッズを売るし、アジア地域ではプレミアムシートが用意され、ライブ終了後にファンとトークをしたり写真撮影を行ったりしているそうだ。

 ライブ限定のアーティストのグッズ販売は大きな収入源だ。同じように作家も変化しつつある。トークライブをして、終演後サイン会をやって本を手売りしているのである。古くからの作家はこのような活動を忌避することが多い。というか、「やらなければいけない」とすら思っていないふしがある。

 けれど、今のベストセラー作家たちの多くは全国で講演を行い、トークライブに出演してファンサービスをしている。トークライブは紙の雑誌や書籍を売るのには必須の手段であり、おろそかにしてはいけないのだ。私も自分の著書が出たときには必ずトークライブやサイン会、講演会をセッティングすることにしている。もし機会があればぜひ遊びに来てほしい。

週刊朝日  2014年6月20日号