2014年の私大入試の志願者数が発表され、関東の大学を押さえ近畿大が一位に輝いた。関西では、難関私大の「関関同立」(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)、次のクラスの「産近甲龍」(京都産業大、近畿大、甲南大、龍谷大)という呼び方がある。だが、近大は「産近甲龍」から一歩抜け出た感じだ。
首都圏でも変化がある。早慶などに次ぐ「MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)」グループに、就職率の良さなどで偏差値が高い学習院大が加わり、「GMARCH」と呼ばれている。
また、「早慶上智」と呼ばれた難関私大グループも、東京理科大を加えて「早慶上理」といわれるようになった。志願者数や増加数などのランキングからも、東京理科大や千葉工業大、芝浦工業大、工学院大といった理系大学の人気がみてとれる。
とくに千葉工業大は、志願者が昨年より8285人も増えて、志顧者増加数ではトップだ。
その要因としてまずあげられるのが、昨年までは出願時期が前期と後期だけだった「大学入試センター利用入試」に中期を設けたことだ。この志願者が1765人だった。入試広報部の日下部聡部長がこう語る。
「理高文低の流れのなかで、多様な入試制度があって受けやすいこと、就職がいいこと、歴史があって知名度が高いこと、東京駅から30分と都心に近いことなどで人気を集めているのだと思います。また、4月から入れる男子寮と女子寮を造ったこともあって、地方の志願者も増えました」
福島第一原発の事故で投入された国産ロボットの第1号が千葉工業大が開発した災害対応ロボットだった。
「そのため、社会貢献したいと、工学部の未来ロボティクス学科に入ってくる学生がいます」(日下部部長)
千葉工業大のイメージ戦略に多大な貢献をしているのが、「東京スカイツリータウン(R)キャンパス」の存在だ。火星探査船操縦シミュレーター、超巨大ロボティックスクリーンなど千葉工業大の先端技術を応用した体感型アトラクションを無料で楽しめる。12年5月のオープンから1年10カ月ほどで、30万人近くが訪れた人気スポットだ。
※週刊朝日 2014年4月4日号