相続税の基礎控除が2015年1月に縮小することから、相続税への関心が高まっている。これまで約4%程度だった課税件数の割合は約6%に上昇すると見られている。
名古屋圏で相続税が発生するエリアの大半は、JR名古屋駅の東と南に位置している。「増税」の影響を受けやすいのも、やはりその方面だ。
名古屋市の中心部に位置する栄(さかえ)駅(地下鉄東山線)をはじめ、オフィス街にある伏見駅(同)、名古屋市を代表する商店街「大須商店街」に近い上前津(かみまえづ)駅(地下鉄鶴舞線)などで、「増税」後、相続税の「課税確率」が100%に高まる。
中でも、課税確率の高さや上昇度で目立つのは、伏見、栄の両駅をはじめ、新栄町、池下、本山などの駅がある地下鉄東山線沿線だ。アトラクターズ・ラボの澤邦夫シニアコンサルタントが、「不動産業界では、この東山線が名古屋圏で最も住宅価値の高い沿線と言われています」と話すとおり、たしかに土地評価額が高いようだ。
たとえば、沿線の中でも課税確率が大きく上昇する本山駅周辺は、名古屋大学や愛知学院大学がある文教地区として知られる。幹線道路が通る一方で、市内屈指の高級住宅街も存在する。ちなみに東山線は名古屋市内で最初に開通した地下鉄で、利用者も市営地下鉄の中ではいちばん多い。
ほかに上昇率が高かったエリアでは、愛知大学のキャンパスがある車道(くるまみち)駅(地下鉄桜通線)、ショッピングエリアにほど近い大須観音駅(地下鉄鶴舞線)、JR東海道本線や名鉄など複数の路線が乗り入れる金山駅があった。
※週刊朝日 2013年9月20日号