確かな人の情報や意見を聞き出すためには、謙虚さと相手の好感が必要です。多くの方と助け合うにもそうです。自信がなさ過ぎてもいけませんが、堅実にやっていそうで、かつ腰が低く謙虚で素直な印象があればいい情報をたくさん引き出すことができます。

 人間は本当に根拠を感じさせる自信満々の人にあこがれ惹かれますが、根拠が感じられない妄想めいた人にはポジティブな感情は生まれないものです。こういう人は、本人は気がついていないのでしょうが、非常に損をしていることでしょう。

 もしどうしても嘘と真実を見分けたいのであれば、複数の情報源から証言を集め、真偽を確かめる質問をぶつけてみることです。こうしたファクトチェックで十分見分けられるでしょう。

 また、直感的に「妄想めいている」と感じられる感性も大切にしてください。そうした鋭い感受性と冷静に事実を積み重ねる姿勢は、あなたの財産にもなることでしょう。

 もはやわれわれは時代の変わり目に入ったと思います。その人のことを心配したり不快に思ったりする時間やエネルギーは自分を守るために使いましょう。

 うまく付き合ったりしようなどとは考えずに、自分をプロテクトすることに集中です。

 これからは安定した雇用や仕事量も働き方も今までの待遇も全てが数年間にわたり激変しかねないフェーズに入ってきました。

 こういう人とかかわっている時間はありません。

 自分を守りましょう。大事な人を助けましょう。助け合いましょう。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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