最後に、不登校やひきこもりなどを多く取材してきた私の考えを述べます。すべの子どもが「学校へ来い」と言うのも乱暴ですが、すべての子に「明日から来るな」と言うのも乱暴です。そして本質的に考えておくべきことは「学校依存の教育体質」です。学校がなければ、子どもは行く場を失い、親も働きに行けない。こんな状況が当たり前だとされてきました。しかし、これは脆弱な教育体制だったのではないでしょうか。

 家を中心に育つホームエデュケーション家庭では、休校か否かで揺れてはいませんでした。訪問支援を行なう団体もそうです。今回の騒動で、いちばん苦しい子たちに政府の眼が向き、さらには学校依存の教育体質を見直すことにもつながればと思っています。(文/石井志昂)

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石井志昂

石井志昂

石井志昂(いしい・しこう)/1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、中学2年生から不登校。フリースクールに通ったのち、NPO法人で、不登校の子どもや若者、親など400名以上に取材。現在はNPO法人を退社しジャーナリストとして活動中。著書に『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』(ポプラ社)『フリースクールを考えたら最初に読む本』(主婦の友社)。

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