最後に、不登校やひきこもりなどを多く取材してきた私の考えを述べます。すべの子どもが「学校へ来い」と言うのも乱暴ですが、すべての子に「明日から来るな」と言うのも乱暴です。そして本質的に考えておくべきことは「学校依存の教育体質」です。学校がなければ、子どもは行く場を失い、親も働きに行けない。こんな状況が当たり前だとされてきました。しかし、これは脆弱な教育体制だったのではないでしょうか。

 家を中心に育つホームエデュケーション家庭では、休校か否かで揺れてはいませんでした。訪問支援を行なう団体もそうです。今回の騒動で、いちばん苦しい子たちに政府の眼が向き、さらには学校依存の教育体質を見直すことにもつながればと思っています。(文/石井志昂)

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