結婚してから女房は随分やりくりが大変だったと後から知ったよ。結婚当初、西麻布が高級な土地柄っていうのを知らないで、友達が近くに住んでいたから西麻布に住み始めた。当時2DKで家賃15万円くらい。その頃、給料が月50万円、税金引かれて、家賃が15万円で、女房はどうやって暮らしていけばいいのかって思っていたらしい。それで、女房は女房のお母さんが京都でやっているお店を手伝って家賃分を稼ぐために、よく、娘を連れて実家に帰っていたんだよ。

 俺は、働いてくれているなんて知らないから(プロレス巡業で)旅に出ている間、”京都に帰っていていい?”って聞かれて、“いいよいいよ”なんて言って、俺は理解のある旦那だなって思っていた。俺は旅に出ている間、京都に里帰りさせて、ちゃんとコミュニケーション取れているいい旦那だなと思っていたんだよ(笑)。

 うちの女房が商業科の学校の出身だから、簿記会計なんかに長けていて結婚したとき”こりゃ助かった!”って思ったよ(笑)。お金のことはすべて女房に任せることができた。任された女房は大変だったと思うよ。昔、女房が怒って”あんたが、やりくりしてよ!”って言われたのが一番困ったよな。離婚を切り出されるより怖いです!(笑)

 お金は大事だとは思うけど、70歳になった今の俺が、もし100万円を自由に使っていいと言われたら、あれを買いたいとか、これに使いたいとか全くない。女房と娘に半分ずつプレゼントするな。本当だよ(笑)。

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