まさに万能プレイヤー、くりぃむしちゅーの有田哲平 (C)朝日新聞社
まさに万能プレイヤー、くりぃむしちゅーの有田哲平 (C)朝日新聞社

 ベテランから新人まで歴戦の猛者たちが集うお笑い界の中で、飛躍的に評価をあげている芸人がいる。有田哲平(49)である。お笑いコンビ・くりぃむしちゅーのボケ担当であり、芸歴29年、数多くのレギュラー番組を持ち、第一線で活躍し続けている人気芸人だ。

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 彼の評価が飛躍的に上がったのは昨年の11月末、有田がMCを務める「全力!脱力タイムズ」(フジテレビ系)でお笑いコンビ・アンタッチャブルが10年ぶりにコンビとして復活したときだった。アンタッチャブルはツッコミ担当の柴田の女性問題で10年間もコンビとしての活動を休止しており、その間、ボケの山崎はバラエティ番組で“ザキヤマ”として大ブレイク。2004年のM-1グランプリの覇者でもある2人のコンビとしての復活は誰もが望んでいたが、山崎が復活にOKしなかったと報じられていた。それが、有田のサプライズ演出によって突然、実現したのだ。テレビ情報誌の編集者はこう語る。

「柴田さんは番組内で突然漫才をすることになり大慌てでしたが、10年ぶりの漫才を見事に披露。伝説のコンビの突然の復活劇は大きな感動を呼び、ネット上でも祭り状態となりました。有田さんは若手時代から後輩のザキヤマさんをかわいがり、一時は同じマンションの上と下に住んでいた間柄。この関係性があったからこそできた演出だった。『脱力タイムズ』自体が、毎回フェイクだらけの情報が飛び交い、ボケ倒す番組なのですが、そんな流れから禁断のコンビ復活というウソから出たマコトのような演出が高く評価され、実際にこの放送回は月間ギャラクシー賞を受賞しました」

 現在、くりぃむしちゅーとしてもゴールデン帯で5本のレギュラー番組を持ちつつ、ピンでも地上波に4本のレギュラーに出演中。一方、アマゾンプライム「有田と週刊プロレスと」ではマニアックなプロレス愛を語り、プロレスファンからの熱狂的支持を受けている。「ここまで売れていて多忙なのに、ピンの仕事でも自分の色をしっかり出せている稀有な芸人」と評価するのは、民放バラエティ番組プロデューサーだ。

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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プロデューサーとしての才能が異常に高い