ボクは、好きになった相手が「好きなもの」を好きになる傾向があるみたいなんだ。映画が好きな子と付き合って映画が好きになったこともあるし、赤ワインにだってハマった時期もある。最終的には、嫌いだったうどんが大好きになったからね。
そんなふうに一日を通して、ずっと一緒にいるのに、それだけじゃだんだん足りなくなってきて、お互い家に帰った後も、ほぼ毎日電話をするようにもなった。
2時間とか、3時間とか平気でね。
親に「いつまで電話してるの!早く切りなさい!」って怒られこともあったけど、トイレに電話機を持ち込んで、バレないように話したりもしてた。
電話を切る時も、「3、2、1で切ろうね」とか言い合って、結局「切ってないじゃーん!」とかいってみたり。
今のボクが、大好きな女の子に電話しているのとまったく同じ感覚。他愛もない話をしながら、声をずっと聞いていたかったの。人を好きになる感覚が分からないながらも、確実にドキドキしていた自分がいたのを覚えてる。
その男の子に彼女できた時も、すごいイライラしてたし(笑)
ボクとの時間よりも彼女との時間を優先されているような感じがしたんだ。
もちろん直接は言えなかったけど、「男の友情は大事でしょ!」なんて心で思ったりして、すごく嫉妬もしてた。
今、考えると、すごい好きだったんだなー。
その男の子とは、今でもたまに連絡をとることもあるけど、めちゃくちゃオッサンになってるよ(笑)
ボクも死ぬほど女好きになっちゃったしね。
もう好きなんて感情は一切ないけど、これからも大切なボクの友達だしん!
(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)

