医師であり小さな子どもを育てるママでもあったため、「どうして?」からの出口を見つけたくてやったのは「検索」。

「最初はAmazonで<寝かしつけ>とか<夜泣き>とか調べました。(笑)そうして、いろいろなものを読んでいくうちになぜこのスケジュールで寝かしつけをしなければいけないの?子どもの睡眠時間はどれくらいなの?もっと、医学的に寝かしつけを解説したものはないの?と、どんどん疑問がわいてきました。『睡眠医学』の医学書も読み、赤ちゃんの寝かしつけに関していろいろある見解が、医学的に正しいことなのか、経験的にいわれていることなのか区別していきました」

 医学的にとことん調べていくと、一般的に多くのママやパパがやっている添い寝での寝かしつけが、実は、かえって逆効果!という重大なエビデンスにたどりついた。

「就寝時、夜泣きを減らすために親がそばにいない状態で寝ることがとても重要という研究がありました。17の国と地域の赤ちゃん約3万人に調査した研究では、親が添い寝していたり、夜中に母乳やミルクで寝かしつけをしていると夜泣きをする確率が高いという論文がありました」

 そこで、医学的根拠に基づいた寝かしつけの方法を紹介している。夜泣きが減る「まずはこれだけ」というのは、たった4ステップ。

■ステップ1 午前6~7時に起こすと夜に自然と眠くなる
■ステップ2 19時にお風呂に入れて寝る準備をさせる
■ステップ3 20時になったら起きているうちにお布団へ
■ステップ4 寝室はできるだけ暗く、室温は冬19度、夏26度

 もし、いま夜泣き、寝かしつけに疲労困憊真っ最中のママやパパが読んでいたら「本当に、これだけ?」と思ってしまうので、森田先生の指導を受けた3名のママの声を紹介しよう。

【実例:1歳1カ月/29歳ママ】
■泣いている子を「置くぞ!」と覚悟を決めた初日から、添い寝脱却に成功!
 森田先生に相談に行って、その日に夜泣きが改善してしまったママがいる。

「抱っこして寝かしつけしてベッドに置くと泣いてしまう状態が続いていました。生後7カ月のときにだんだん体重も重くなり、寝かしつけに関していろいろ調べてみたんですが赤ちゃんをひとりで寝かすことにふんぎりがつきませんでした」

 森田先生からはズバリ「抱っこして寝ると、寝つきが悪くなっているのだと思います」と指摘された。相談に行ったにもかかわらず抱っこしないことに迷いがあった。

「まずは、置くぞ!と覚悟を決めました。最初は泣いていてうまく眠れないような泣き声だったのでそのまま、20分間泣いたらなんと寝ついてくれました。朝の7時まで、全く起きずに寝てくれたんです!まぐれかな?って思いますよね。寝かしつけのときの泣きがどんどん短くなっていったんです。抱っこが寝にくくさせていたんだということがわかりました」

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赤ちゃんがなぜ泣いているか観察することが大切