セブ島のインターナショナルスクールからの帰り道。筆者の息子とKyonの息子(撮影/井上綾子)
セブ島のインターナショナルスクールからの帰り道。筆者の息子とKyonの息子(撮影/井上綾子)
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セブ島・イナワヤン地区に積み上げられたゴミの山(撮影/Kyon)
セブ島・イナワヤン地区に積み上げられたゴミの山(撮影/Kyon)

 子どもたちを英語環境で育てるため、期間限定で日本を離れて英語圏の国に住む「親子留学」。日本に働く夫を残し、子ども2人とフィリピン・セブ島への母子留学を実践するライターが、フィリピン生活で身につく英語力以外の力について、リポートする。

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「なぜ、親子留学にセブ島を選んだんですか?」

 私自身よく聞かれ、そしてセブ島で出会う親子留学仲間に、私自身もよくする質問だ。私がここを選んだのは、フィリピン人の英語力の高さ、欧米への留学と比べたときのコストの安さ、暮らしやすさ、そしてフィリピン人のフレンドリーさだ。南国リゾートへのイメージのよさも手伝って近年、セブ島への親子留学は人気を集めている。

 私が2人の子どもを連れて移住して2年が経つ。9歳になった娘、6歳になった息子はインターナショナルスクールに通い、年齢相応の英語をペラペラと操るまでに成長した。だが、セブ島での親子留学で身につくのは英語にとどまらない。フィリピンという国に住むことで得られた何かがある、私自身、そんなふうに感じ始めていた。

 そんなとき、私は子どもの通うインターナショナルスクールで、1人の日本人ママ・Kyonと出会った。彼女は日本で生まれ育ち、20歳でセブ島とアメリカに留学。オーストラリアで働いているときに台湾人のパートナーと出会い24歳で結婚し、オーストラリアで出産した経歴を持つ。その後、台湾で暮らしていたが、2017年に3歳の息子を連れて初めてセブ島へ母子留学して以来、毎年1カ月をセブで過ごしている。

 彼女に、私は冒頭の質問をしてみた。「なぜ、セブ島を選んだんですか?」

 5歳になる彼女の息子は台湾のインターナショナルスクールに通っていたため、英語が身につく環境にいた。それなのになぜセブ島へ来たのだろう。彼女から返ってきた言葉は、意外なものだった。

「生きる力がつくから」

 その言葉に、はっとした。彼女と話すうちに、ここの生活で得られるのが英語力だけでないという確信を持つことができた。私自身の視野を広げ、子どもが吸収していっているのは生きる力なのかもしれない――。

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