舞台だって日本でも腐るほどあるし、海外ツアーに集まるのはだいたい現地に住む日本人か、パートナーが日本人っていう人だったりするから地元の人の間で話題になることは無いらしい。アメリカで知られている日本人っていうとピコ太郎と、かろうじて野球選手。イチローとか、今だったら大谷翔平選手とからしいんですよね。

 逆に海外での活躍を僕らが知らないこともあって、ウエスPなんかはフランス版のゴット・タレントで決勝まで行っていて、アメリカでも有名なトーク番組に呼ばれたりしているんですよ。向こうのゴールデン番組に多いのは、日本のひな壇みたいにたくさん出るやつじゃなくて、ホスト1人にゲスト1人のやつ。そういうところに呼ばれる日本人はなかなかいないんですよね。逆にそれが報道されていなかったりもする。

 世界のどこでも同じだと思うけど、日本人は日本人の価値観で考えて、報じられていて、実は世界では話題になっていないってことがよくあるんじゃないか。そもそも世界では日本自体が話題になっていないんじゃないかと最近よく考えるんですよね。

 ちょっと話がそれますけど、日本に来ている中国人観光客を見て、ちょっと小馬鹿にする人っているじゃないですか。でも、実は逆にそう思われているっていう現実がある。日本はスマホ決済もできない。道が狭い。遅れた国、不便な国って思われているんですよ。上海とか北京はAIとか技術面がすごく進んでいて、ドローン配送も一部で実用化され始めている。

 日本はアメリカ資本に注目しているから、グーグルやアマゾンの動きは知っていても、なかなか中国の情報は入らないんですよね。

 良い悪いは別として、中国は資本主義じゃないから、政府が推進しようと思うことは早い。技術面で強化しようと思えば、共産党と民間のベンチャーが組むわけです。ユーチューブとかグーグルが使えなくて、不便だろうと思っているけど、中国にはそれに代わる中国用のソフトがあってそれが普及しているんですよね。あるドキュメント番組で、中国の若い子たちが、安全と裕福を手に入れるためにプライバシーを売るのは仕方ないと答えていて、なるほどなと思いました。

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「だから直美はNYに住む」