生まれたときからそうだから、何でも自由に発言して良いと言われても、よくわからないんですよね。政府批判をする人じゃない限り、不便は無いし、一番のポイントは裕福なことです。それなら文句無いでしょ。先日の香港のデモだって、中国では報道されない。みんなが騙されているのかというとそうでもなく、ニュースは共産党が流しているものだってわかっているからそんなに見ないんですよ。そういうことでさえ、日本にいる我々は知らないわけです。
ちゃんと知るには行ってみて足で稼がなきゃいけないし、だからこそ本物志向の人たちは現地に住んでやってみるんですよね。ニューヨークに住む(渡辺)直美も、真田広之さんも渡辺謙さんもそう。
業界内でもハリウッドを夢見て、渡米したカメラマンやメイクさん、衣装さんもたくさんいます。夢破れて帰国する人もいる。行ったらみんな成功するわけじゃないけど、行かなきゃチャンスは無いし、そこで逆に知る日本の姿っていうのもあるわけですよね。
中国の話に戻ると、中国の若者もめちゃめちゃ留学しているんだそうです。世界の留学生の4人に1人が中国人っていうぐらい。そこでユーチューブやグーグルが自由に使えるのを知って「あれ? うちの国のインターネット事情ってちょっとおかしくね?」ってなるらしい。
最近、大阪と京都で中国人観光客の現状をロケしていたんですが、本当にあの勢いは恐ろしいですよ。大阪の黒門市場なんかは、週末は「年末のアメ横」状態。しかも全員中国人。マグロとか牡蠣を焼いて食べさせる露天が出ていて、支払いはもちろんQRコードでアリペイ。市場でスマホ決済って、日本人相手なら無いでしょ。中国資本のドラッグストアも進出していて、清水寺の参道にもドラッグストアが何軒かできていましたね。大阪城も京都の嵐山も、昼間の祇園も中国人だらけで祭り状態ですよ。
そのロケで使ったカメラも、中国のOsmo Poket(オズモ ポケット)だったんです。これまで日本だとブレないようにステディカムっていうリュックサックみたいな大きな機材をカメラマンさんが背負うのが普通だったんですが、オズモは手のひらサイズで3万円台。僕にロックオンするとブレも無くて、テレビ番組を撮るのも問題無い。アメリカのGoPro(ゴープロ)のライバル社で、オズモのCMは欧米人がいっぱい出てきていかにもアメリカっぽく演出していますが、中国資本の中国製です。
そういうこともあって、遅れてるのは日本かもしれない、と思わされましたね。中国は資本主義じゃないからウイグル問題もあるし、情報統制して事件を隠すこともある。“独裁”ゆえの早さがあって、そういう国が莫大な金を持って世界を制しだしているから、恐ろしいことには変わりないわけです。
我々は世界を知らなすぎてないかな、勘違いしていないかなって、ゆりやんの活躍を見て考えましたね。これがグローバル化ということなんでしょう。若者よ、どんどん海外に行け! 本当のことを見てこい!とオジサンは思います。