安倍晋三、麻生太郎、そしてDAIGO。この3人の共通点は「総理の孫」だということだ。母方の祖父はそれぞれ、岸信介、吉田茂、竹下登である。
だとしたら、DAIGOもそのうち、総理になってもおかしくなかったりして…。という話はさておき、彼はここまで「七光り」を政界とは別の世界で使ってきた。それは多くの人が知るところだし、本人も自覚している。
たとえば「平成最後の日」と題したブログに、彼はこう綴った。
<振り向けば 昭和から平成に時代が移り変わる時の総理大臣が 祖父、竹下登でした。(略)でも、この平成の30年間。 途中から祖父はいなかったけど 祖父が総理大臣だったから テレビにも出れるようになって 今がある。 DAIGO フィーチャリングおじいちゃん。 だからずっと 一緒に この平成を駆け抜けてきたんだ と思います。>
なるほど「DAIGO フィーチャリングおじいちゃん」とは上手い表現だ。この異色コラボ(?)が誕生したのは、竹下元首相が亡くなって7年が過ぎた平成19年のこと。実姉の漫画家・影木栄貴に、テレビ番組『世界バリバリ☆バリュー』から「私の家族は有名人」という企画への出演オファーが来た。
ただ、姉はすでに『週刊文春』や『トリビアの泉』で「総理の孫」であることをカミングアウトしており、この話に消極的だった。そのかわり、弟をメインに扱うことを提案し、元ファーストレディの祖母も含めたファミリーでの出演が実現したのである。
当時、彼は29歳。レコード会社をビクターからビーイングに移籍し、3人組のバンド「BREAKERZ」で再デビューしたばかりだった。それまでは「DAIGO☆STARDUST」を名乗り「宇宙から舞い降りたロック王子」というキャラ設定でデビッド・ボウイ風のグラムロックをやっていたが、パッとせず、この番組を機に「総理の孫」という新キャラ(というか、事実そのもの)を解禁したわけだ。