「私たち、結婚しました!」――続けて届いた2通の結婚報告はがき。お葬式に参列することのほうが増えていたというのに、まさか同年代である50代の友人から結婚話を聞かされるとは。もしかして、と調べたところ、ここ20数年で50歳前後の結婚増加が判明。総数から見れば少ないものの、“50歳からの結婚”が増えていることは間違いないようだ。連載「50歳から結婚してみませんか?」では、結婚という大きな決断を50歳で下すことになった女性の本音とリアルに迫る。第19回は、マッチングアプリで出会った彼と結婚する瀬川ナミさん(仮名・45歳・会社員)の前編をお届けする。
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今年の春に約10年間の結婚生活を終了させ、来春にマッチングアプリで出会った彼と新しい人生を歩むという瀬川ナミさん(仮名)。離婚からわずか1年で再婚を決意。
「前夫は7歳年下で漫画やアニメ、ゲーム好きなど趣味が同じだったので一緒にいてもほとんど年齢差を感じませんでした。でも、私とは性格が反対で内向的。飲み会なども進んで参加することが少なかったんです。私は社交的で人が大好き! だから、飲み会も積極的に出ましたし、幹事も進んでやるほどでした。でも、それが前夫は気に入らなかったみたいで私が飲みに行くことにだんだんいい顔をしなくなって。夫婦で出席するパーティなども私はひとりで行くようになりました。パーティだけじゃなく、映画や美術展などもふたりで楽しみたかったですし、食べ歩きなど行きたかったですね。でも、それができず、また言い出せなくて寂しさが徐々に募っていきました」
次第に本音を話せなくなり、いろんなことを無理して夫に合わせ、我慢することが多くなっていき、瀬川さんの中で不満のスタンプが溜まっていった。そして子どもの話が……。
「私が40歳のときに子どもの話が出たんです。『なんで今頃?』と思いましたが、『夫が望むなら』と、不妊治療を始めたんです。でも、治療の成果はそんな簡単に出ませんし、体調も悪い。仕事も休みがちになって評価も下がる一方でした。それに後輩が次々と産休を取っていく中、自分は仕事でも評価されず、子育てもできないダメ人間なんだと……。どこにも居場所がなくて孤独を感じる毎日でした。眠れない夜も続き、心身ともに本当にきつかったですね」