これがキツかった。
傷が癒えるまで1週間ほど。それまでの間は、チビにくわえさせる前に心の準備をして、大きく深呼吸して、「えいや!」と含ませ、「ぎぃぃ……!!」と食いしばって飲ませていた。
よくヨーロッパの教会なんかの天井に描かれているような、聖母マリアが羽衣みたいな布をまとって、美しい微笑みをたたえながら、天使の赤ちゃんにおっぱいを飲ませる、優しいタッチの宗教画……。
授乳ってそんなイメージでいたよ!
乳首切れるなんて知らなかったよ!
痛いなら代わりにミルクを飲ませれば……とも思ったが、母乳は止まらないわけだから、結局、搾乳しなければならない。
乳首への負担は一緒なのである。
そのうちに強くなったのか、皮が厚くなったのか、二度と切れることはなかった。
乳首の進化である。
何かと大変な授乳期ではあったものの、ひと時でも、あの大きなバストを経験できたことには感謝したい。
噂通り、体重の戻りもスムーズだったし。
ミルク製造をストップしたおっぱいが、みるみるしぼんで、見慣れた大きさに戻るのも早かったなあ……。