本物の象をステージに上げ伝説となっている1979年の「OLIVE」ツアーを思い出させるシーン(撮影/田中聖太郎)
本物の象をステージに上げ伝説となっている1979年の「OLIVE」ツアーを思い出させるシーン(撮影/田中聖太郎)
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光鮮やかなフリフラの海に浮かぶようなセンターステージ。会場が大きいほどオーディエンスは多く、光の数も増す。ツアーは2019年4月まで行われる。https://yuming.co.jp/(撮影/田中聖太郎)
光鮮やかなフリフラの海に浮かぶようなセンターステージ。会場が大きいほどオーディエンスは多く、光の数も増す。ツアーは2019年4月まで行われる。https://yuming.co.jp/(撮影/田中聖太郎)

 客席が暗転し会場内に大歓声が響く。9月22日、岩手県盛岡のタカヤアリーナで「松任谷由実 TIME MACHINE TOUR Traveling through 45 years」が初日を迎えた。ステージは客席のセンター。オーディエンス全員が腕にはめているフリフラ(無線制御のフラッシュライト)が赤青白に点滅する光の海のなか、ユーミンは次々と曲を歌い継いでいく。

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「ツアー初日、センターステージはもう自分のものになっていることを実感しました。かつて1980年に、品川プリンスホテルのアイスアリーナの真ん中につくったステージで歌ったことがあります。あのときは、〇×のショーをやってしまいました。〇×というのは、つまり、東を向いて歌うと西の客席に背を向けてしまう。西を向くと東に背を向ける。お客さんにとっては〇か×。視覚的にはショーの半分しか楽しめなかったかもしれません。でも、今は360度を意識してパフォーマンスができています。動きやちょっとした顔の向きでね。そして、たとえ背を向けていたとしても、後ろのお客さんにしっかりアピールできているはず。私の背中からもオーラ、出ていると思いますよ」

 ユーミンは自信をのぞかせた。

「今回の由実さんは、初日からすでにパフォーマンスが自分のものになっていると感じました。いつものツアーにも増してね」

 会場の演出エリアでショーのすべてをチェックしているプロデューサー、松任谷正隆もユーミンの状態のよさを感じていた。

「リハーサルは比較的順調でした。石川県の小松で5回、本番同様の通しリハができたことが大きかった。由実さんは体力的にも充実している。盛岡の初日の本番前には、彼女の判断で通しリハをやりました。つまり本番直前に本番さながらの3時間近いパフォーマンスを行ったわけです。それが明らかに初日の公演の精度を上げました」

 今回のツアーはユーミンが45年間のキャリアで行ってきた数々のツアー、それぞれの象徴的なシーンをオマージュしながら、新たな物語が展開していく。

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ショーは2つの物語が同時進行する。