「曲作りにはいろいろな方法がありますけれど、多くの場合、僕は映像をイメージします。その風景が言葉を呼んでくれる。『通り雨』で頭の中に浮かんだのは、フランス映画の日本語版のようなイメージでした。曲作りをはじめると、次々と音楽は生まれてきました。しかも自分で納得のいくクオリティのものが。今年の3月から8月の半年間は、1ヵ月に1曲ペースでシングルをリリースしたくらいです。今は目に入るもの、出会う人、訪れる場所……、すべてが曲のテーマになっています」
10月17日には2枚のベストアルバムを同時発売する。ファンが選曲した13曲を収録した『We are the Fellows』とASKA自身が選曲した15曲を収録した『Made in ASKA』だ。
そして、ツアーもスタートする。「ASKA PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2018 -THE PRIDE-」。11月5日(月)の東京から、仙台、札幌など、12月19日(水)の福岡まで8都市10公演。オーケストラをバックに歌う。
「CHAGE and ASKAに『PRIDE』という曲があります。ヒット曲ではなくアルバムの中の1曲なのに、リスナーのかたがたにずっと愛していただいている作品です」
その曲、「PRIDE」では、つまずいても、さまよっても、思い上がりと笑われても、最後のプライドは失わない気持ちが歌われる。
「このタイミングでのツアーだからこそ、THE PRIDEというタイトルにしました。このステージでは、シンガーソングライターとしての自分のすべてを出し切ります。セットリストは、皆さんに愛していただいてきた僕の代表曲をずらりと並べて歌う予定です。会場に足を運んでくれるかたがたによろこんでもらえるように。真摯な気持ちで。一番心配なのは、僕の気持ちの高ぶりです。久しぶりにステージに立てるので、こみ上げてくるはず。いかに感情の高ぶりを抑えて、最後までいいコンサートにするか、自分に強く言い聞かせています」(神舘和典)