主要メディアの年代別平均接触時間(株式会社ジャストシステム調べ)
主要メディアの年代別平均接触時間(株式会社ジャストシステム調べ)

 家にいて何か調べものをするという時、一昔前ならパソコンを使ったものだが、今では手元のスマートフォン(スマホ)で済ませてしまう、という人も多いのではないだろうか。そんな中、インターネット接続に使う機器について、興味深い調査結果が発表された。

 株式会社ジャストシステム(本社・東京都新宿区)が、同社のインターネット調査システム「Fastask(ファストアスク)」を利用して、全国の15歳~69歳の男女1100人を対象に、「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2014年9月度)」を実施したところ、10代で急速な“パソコン離れ”が見られる結果となったという。(調査期間:2014年9月29日~同年10月2日)

 今回の調査で、10代の若者が1日にパソコンを使ってインターネットに接続している時間は、平均88.2分ということが分かった。これは、143.9分だった2013年9月度の調査と比べて約6割まで落ち込んだ結果となった。

 その一方で、スマートフォンからのインターネット接続は116.2分と、パソコンを使った接続の約1.3倍に上っている。今回の調査ではこのように10代の“パソコン離れ”といえる現象がみてとれる。

 インターネットへ接続する際に使う機器としては、ノートパソコンが61.9%と全体で最も多く、スマートフォン51.5%、デスクトップパソコン42.5%と続いている。10代以外の世代では、普段仕事などでパソコンを使い慣れているためか、質問にある通りプライベートでもパソコンからのインターネット接続時間が、スマホを上回っていて、過去1年間の調査結果の推移を見てみると、スマホには上昇傾向が見られるが、ノートパソコンやデスクトップパソコンはほぼ横ばいとなっている。

 また、今回の調査では、他にも、2014年に登場したiPhoneシリーズの新モデル「iPhone6」や、最近話題となっている、スマホと連携し、ハンズフリーの状態で撮影出来るウェアラブルカメラの認知率についても調べている。

「iPhone6」については、iPhone端末の利用者の54.8%、Android端末の利用者の30.7%、フィーチャーフォン(ガラケー)利用者では22.5%が「興味がある」と回答しており、新型スマホに対する関心の高さがうかがえる。

 ウェアラブルカメラの認知率は62.6%と、前回の調査(2013年5月度)より、10%以上アップしたという結果に。現在使用している人は2.6%と変わらなかったが、購入を検討している人は4.6%、興味がある人は20.5%と、いずれも前回よりやや増える結果となった。

 年々所有率が上がり、「小さなパソコン」として重宝されているスマホ。新モデルの登場やウェアラブル機器など関連商品の進歩によって今後もますます使用頻度が高まりそうだが、今回の調査では、20代男性や10・20代女性で、1日のスマホの利用時間が「8時間以上」という、若者の“スマホ依存”をうかがわせるようなデータも挙がっている。

 こうした今の10代・20代において、パソコンよりもスマホでという風潮が進めば、マウスやキーボードが要らなくなり、すべてのコンピュータがタッチ操作でスマートに扱える未来が待っている!と考えた方が、“パソコン離れ”だなんて悲観するよりも良い気がするが果たして……。