田代島の猫たち(写真:筆者提供)
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 島として有名な宮城県沖に浮かぶ人口54人の小さな島が、旧統一教会(現在は世界平和統一家庭連合)の関連団体の進出を巡って大揺れだ。海洋学習ヴィレッジ建設の話が持ち上がる中、元自衛官の佐藤正久参議院議員(自民党)の名前も取り沙汰されている。ジャーナリストの鈴木エイト氏が現状を追った。

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 島民を二分する騒動の舞台となったのは東北・牡鹿半島の先端近くにある田代島(宮城県石巻市)。200匹以上の人馴れした猫が闊歩するのどかな「猫の島」に、NPO法人「石巻・田代島しまおこし隊」(以下しまおこし隊)が宿泊施設などを備えた「海洋学習ヴィレッジWAQUA田代島」(以下WAQUA)の建設プロジェクトを発表したのは昨年のことだ。

 島民の一人が明かす。

「昨年12月、沖縄で海洋真時代なる雑誌社がWAQUAの寄付金集めをしているとの通報があり、NPOの背後に統一教会系の海洋平和という会社があるとわかりました。しまおこし隊役員4人のうち2人が海洋平和の幹部。ボート工場や海上テーマパークの構想もあるとわかり、島を乗っ取られるのではないかと不安が広がっています」

 島民がキーマンとして挙げたのが、しまおこし隊の理事・佐藤健雄氏。海洋平和と海洋真時代のCEOも務める。同社が2010年に行ったセミナーのチラシではこう紹介されている。

「18年間、米国で文鮮明(注:統一教会教祖で2012年死去)先生から直接指導を受け海洋趣味産業摂理に携わってきた方」

 海洋平和とはどんな会社なのか。統一教会関連組織に詳しい全国霊感商法対策弁護士連絡会の渡辺博弁護士が解説する。

「海洋平和は統一教会の日本戦略を担う海洋事業投資会社です。文鮮明教祖は『海洋強国』が世界を支配するとして小型船舶販売や海洋開発投資等の海洋事業と海洋教育を統合した海洋摂理を信者に行わせてきました。佐藤健雄氏は1970年に合同結婚式を受けた古参信者です。海洋平和は内部で南米海洋教会と呼ばれています」

 東日本大震災後、島に移住し歴史資料館を営む男性は懸念を口にする。

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