■ICTが助けになる

「みちのく荘」では、2009年から外国人が働いている。そこで、できるだけ働きやすくするために、いくつかICT(情報通信技術)を導入した。そのひとつが、介護記録の電子化だ。タブレットを使って、簡単に食事、睡眠、排せつなどを記録できるようにした。たとえば、飲んだものを記録するときには、個人別の食事のページを開き、「お茶」「水」「ジュース」などの選択肢から選び、飲んだ量を数字で入力する。これならば、文字を書く必要がない。利用者の近くにいながら短時間で正確に記録することもできる。

 また、職員が個室を見回る負担を減らすために、各部屋には赤外線を使った「見守りセンサー」が設置されている。ベッドに寝ている高齢者が起き上がると、職員が持っているスマホのメロディーが鳴る。画面を開くと、その高齢者の動きをシルエットで見ることができる。それを見て、すぐ行かなければならないか、その必要がないかの判断ができるのだ。

 こうしたICTの導入は、すべての介護職員の負担を軽くすることにつながった。職員に余裕が生まれ、利用者とゆっくり接することができるようになったそうだ。(ジュニアエラ編集部)

(※)EPA(Economic Partnership Agreement=経済連携協定)は、二つ以上の国または地域の間で、自由貿易協定(モノやサービス貿易の自由化)に加え、貿易以外の分野(人の移動や投資など)の協力を含めて締結される協定。

※月刊ジュニアエラ 2017年11月号より

ジュニアエラ 2017年 11 月号 [雑誌]

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AERA dot.編集部
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