「週刊文春」の不倫報道によって、民進党から離れることになった山尾志桜里・衆院議員。山尾氏は20年以上前、東大在学時代に『アニーの100日受験物語』を書き下ろしている。すでに絶版になっている“お宝本”から、当時のエピソードを発掘した。
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民進党幹事長になるはずだった山尾氏。国会で政府の子育て支援政策を厳しく批判し、安倍首相を舌鋒鋭く追及する姿は、民進党内で「ジャンヌ・ダルク」とまで言われた。だが、しばらくは国会論戦の場で山尾氏を見ることはできないかもしれない。
山尾氏は東京大法学部出身の元検察官。民進党では理論派と言われるが、著書は1冊しかない。専門の法律ではなく、国会で取り上げた保育の分野でもない。東大合格体験記だ。1995年刊。東京大学文科I類の学生だったころに書き下ろした『アニーの100日受験物語』(ごま書房、絶版)である。同書(以下、『受験物語』)からそのエッセンスを紹介しよう。
山尾志桜里氏(旧姓、菅野志桜里)は1974年生まれ。小学生のとき、ミュージカル、アニーのオーディションに合格する。応募者1万数千人から主役に選ばれた。第2次審査では用意された日本語の歌詞を無視して、得意の英語で歌ってしまう度胸の良さを見せつけた。
小学校6年、中学校1年の2年間でアニーを演じたが、学校の勉強はよくできた。『受験物語』にはオール5の通知表が掲載されている。そして、驚くべきことに中学受験をして、東京学芸大学附属大泉中学校に合格した。当時、女子にとって桜蔭、筑波大学附属、女子学院とならぶ難関である。
アニーの練習、本番で毎日が忙しいはずなのに、いつ勉強したのか。
「勉強っていつでも、どこででもできるんです。どんなに時間がないときでも、10分もあれば、参考書の1ページぐらいはできます。それに、10分しかなかったら、その10分間で覚えてしまおうと必死になります」(『受験物語』)
芸能活動を控えて、塾通いで難関中学に合格した芦田愛菜さん以上である。
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