この春から子どもが小学生になる家庭では、期待に胸を膨らませる一方で、不安や悩みも尽きないのではないでしょうか。「AERA with Kids春号」では、杉並区立天沼小学校校長の松野泰一先生に取材。親はどのように声かけをすればいいのか、読者からの具体的な不安や悩みにも答えていただきました。

*  *  *

 授業についていけるかしら、友だちはできるかな……。入学を前に、親には次から次へと心配が押し寄せます。

「あれこれ心配されるお気持ち、よくわかります。でも『ランドセルが重くて大変そう』などと心配を口にしたら、お子さんに伝染してしまいます。心配は心にとどめて、『ランドセルに教科書を入れていくの、楽しみだね』などとプラスの言葉をかけることで、お子さんも学校が楽しみになりますよ」

と、松野先生は話します。

 親には初めてのことでも、学校にとっては毎度のこと。「先生たちはよく心得ていますから、上手に対応してくれるはず」とも言います。

 一方、親の側も、入学前に学校でどんな対応をしてもらえるのかを知っておくだけで、ちょっと安心できるものです。

 読者から寄せられた、以下の具体的な不安や悩みにも答えていただきました。

Q. 同じ幼稚園の友だちが誰もいないので、友だちができるのか不安です。

A. 入学前の保護者会でもよく聞かれますが、友だちは自然とできるので心配はいりません。大人が新しいコミュニティーに入る感覚と違って、子どもはすぐに慣れるもの。学校側でも子どもたちが早く打ち解けられるように、初めのうちほど遊び感覚の取り組みを多く入れるように工夫しています。確かに最初は心細いでしょうが、席が近い、好きな遊びが同じ、遊び方が似ているなど、自分と気の合いそうな仲間をどんどんと見つけていきますので、心配ないと思いますよ。

Q. 恥ずかしがりやなので、先生にトイレと言い出せるか心配です。

A. 入学したばかりの時期は、こまめにトイレ休憩を設けるようにしています。お子さんには「困ったことがあったら、先生に言っていいんだよ」と親御さんから伝えておくといいですね。入学当初は担任の先生も一人一人にどういう配慮が必要なのか把握しきれていないので、もし心配なことがあるようでしたら、連絡帳に書いて伝えておくと、気にかけてくれると思います。ただし連絡帳は、幼稚園や保育園と違って毎日やりとりするためのものではないので注意しましょう。

次のページへ
著者 開く閉じる
竹倉玲子
竹倉玲子
1 2