「ほめて伸ばす」ことは大事。でも、子どもをほめる基準がぼやけてしまったり、叱りそびれてしまったり。まず親子の信頼関係が築かれていなければ、親の「ほめる」「叱る」に込めた思いは子どもに伝わりません。今あらためて見直したい、親子の関係を良好にするために大切な「3つ」のことを、教育評論家の親野智可等さんに聞きました。子育て情報誌「AERA with Kids2025春号」(朝日新聞出版)から紹介します。
【図】学力が高い子の家庭に見られる8つの特徴(全8枚)子どもにとって、はじめの人間関係が親子関係
今は、教育や子どもに関するたくさんの情報を、かんたんに目にできる時代です。「そのため、かえってほめたり叱ったりすることが難しく、大変なことになっているように感じます。さまざまな説がありますし、親御さんも悩んでしまうのではないでしょうか」と話すのは、教育評論家の親野智可等さんです。
「よく『子育てにいちばん大切なものはなんですか』と聞かれます。そこで私はいつも『大切なことが100番まであるとしたら、1番から99番まで“親子関係をよくすること”ですよ』と答えています。すべてはここからなのです」(親野さん)
親子の関係が良好であれば、ほめる・叱るも伝わるもの。
「さらに、親子関係が良好なら、子どもの自己肯定感が上がってきます。親子の自己肯定感は相関関係にあるといわれるので、子どもの自己肯定感が上がれば、ママやパパの自己肯定感も上がるのです」
子どもにとって、はじめの人間関係が親子関係、と親野さん。
「しっかりと信頼関係が築かれていれば、子どもはきょうだいや友達など、その後の人間関係の構築にも積極的。親子関係は他者への信頼感を育てるうえでも基本中の基本なのです」
そこで、親子関係を良好にするために大切な、3つのことを教えてもらいました。今、もう一度見直したいことばかりです!
親子関係を良好にするために大切な3つのこと
1.「ご機嫌取り」ではなく人を「リスペクト」する
日常、子どもに「遠慮」していると感じることはありませんか? この「遠慮」が、日々の子育てのモヤモヤに大きく関わっているのかもしれません。
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