■アスリート型、スタンダード型、マイペース型
安浪:なるほど。最近は中学受験を目指すご家庭でも価値観は様々になってきたな、と思いますね。私はよく3つのタイプに分かれる、と言っているんです。「とにかく偏差値にこだわる(1)アスリート型」、「できるだけ上を目指したいが、子どもがボロボロになるまでやらせたくない、という(2)スタンダード型」、「偏差値にこだわらず、子どもの個性にあったご縁がある学校に通わせたいとする(3)マイペース型」ですね。中学受験の層からすると(2)がいちばんのボリュームゾーンですが矢萩さんの塾にいらっしゃる方は(3)でしょうか?
矢萩:その3つで分けるとしたらそうでしょうね。
安浪:ご相談者の方もそうですが、もしあくまでマイペース型で行きたい、となったら大手塾を選ぶかどうかも考えどころですよね。というのも大手塾の良さってあくまで学校を偏差値で切って、カリキュラム通りに進めていくことですから。そのスキームが確立されていることは確かです。
矢萩:そもそも偏差値って大手塾が作成しているものですしね。大手塾が作った指標に向かって、塾が作ったテキストで勉強していけば効率がいいことは確か。うまく乗れれば、の話ですが。
安浪:塾に関してはいろいろ言いたいことがあるので、また回を改めて矢萩さんと話したいです!笑
矢萩:やりましょう! あとはこのご相談者に伝えたいのは、本当に詰め込み勉強をさせたくない、子どもの個性を生かした受験をしたい、というのであれば、最近増えている「新型入試」をやっている学校を探してみるのもいいかもしれません。
安浪:1教科で受けられたり、都立中高一貫の適性検査のようなもの、作文や面接などで受験できるものなど最近はいろいろありますね。
矢萩:そうです。ただこれも対策は大手塾では難しいですね。スキームがないので。どうやって対策していくかも、改めて紹介したいです。
安浪:これから従来型の中学受験とは違う、「偏差値にとらわれない」中学受験について矢萩さんと話し合っていくわけですが、考えるべきテーマも多そうですね。
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