素直に反省せず、他人のせいにしてばかりの妻に夫は不満を募らせています。娘が同じ振る舞いをしないか心配の様子。「論語パパ」こと中国文献学者の山口謠司先生が、「論語」から格言を選んで現代の親の悩みに答える本連載。今回の父親へのアドバイスはいかに。
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【相談者:4歳の娘を持つ30代の父親】
保育園年少の娘を持つ30代の父親です。娘には「ありがとう」「ごめんなさい」と素直に言える人になってほしいのですが、うちの妻は、とにかく素直に反省することができません。結婚して10年たちますが直りません。たとえば朝食時、妻がスマホをテーブルの端ぎりぎりに置いたため、娘のひじが当たって落下しました。そこで妻がまず放った言葉が「パパが新聞を広げているから、ここにしか置けなかったのよ」。
先日デパートに出かけた際も、妻がスマホを家に忘れたため、私と娘が、妻とはぐれてしまい、やっと会えた瞬間も「なんで2人ともママのそばにいないの!」とキレる始末。「ごめんね」「次から気をつけるね」といった言葉は一切出てこず、他人のせいにしてばかりです。私はその都度、「素直に謝ることの大切さ」を言い聞かせてきたのですが、改善しなければ娘も同じように振る舞うのではと心配です。私が我慢するしかないのでしょうか。
【論語パパが選んだ言葉は?】
・「子曰わく、君子の天下に於(お)けるや、適(よ)きも無く、莫(あ)しきも無し」(里仁第四)
・「直(なお)きを挙げて諸(こ)れを枉(まが)れるに錯(お)けば、能(よ)く枉(まが)れる者をして直(なお)からしむ」(顔淵第十二)
【現代語訳】
・「君子は世の中のあらゆる物事に対して、決して、こうしようと固執することなく、また絶対にこうしないと決めることもない」
・「まっすぐな材木を曲がった材木の上に置けば、下の曲がった材木が押されてまっすぐになるように、正しい人間を曲がった人の上に置けば、曲がった人はおのずと正しくなり心服する」